会長あいさつ

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第164回日本獣医学会学術集会
会長 桐澤 力雄

ご挨拶

 この度、第164回日本獣医学会学術集会を、2021年9月7日(火)から9日(木)までの3日間、酪農学園大学を会場として開催する運びとなりました。本学がキャンパスを構える江別市は、札幌市から北東に約15kmのところに位置し、札幌のベッドタウンとして発展してきました。本学で司宰させていただくのは2007年以来、14年ぶり5回目となります。本学は、1960年に酪農の父と呼ばれる黒澤酉蔵によって創立され、2020年に60周年を迎えました。創立者黒澤酉蔵は、キリスト教の教えを基に三愛主義、健土健民、知行合一の実学教育を建学の精神と定め、その精神を体現化するものとして、下図に示す循環農法を提唱しました。これは、現代のOne Healthの概念そのものであり、本学はそれを実践すべく2学群5学類を配置する特色のある大学です。獣医学類(獣医学科)は1964年に開設され、生産動物医療分野を始めとし幅広い分野に多くの人材を輩出してきています。



学術集会のテーマ

 学術集会のテーマは、「持続可能な循環型社会の実現」といたしました。これは、国連の持続可能な開発目標であるSustainable Development Goals (SDGs)にも通じ、本学の建学の精神を具現化するもので、「農、食、環境、生命」を基軸として自然との調和を図り、人と動物の生命と福祉に貢献する獣医学の進歩に焦点を当てたものになります。司宰機関シンポジウムのテーマは「細菌との永遠の戦い ~抗菌薬とファージ~」、「身近な野生動物問題の解決は世界を救う」そして「新型コロナウイルス流行下でのヒトと動物の暮らし」を予定しています。薬剤耐性菌の問題点と新規治療法としてのファージ療法について最新の話題を提供します。野生動物のヒグマは、2019年、本学のキャンパスの南側に広がる野幌原生林に出没し、マスメディア等で大きな話題となりました。居住地にはクマを始めとして多くの野生動物の出没が頻発しており、野生動物と人の共存について考えます。2020年には新型コロナウイルスが猛威を振るい、全世界の経済基盤が大きく揺らいでいます。このウイルスと社会の共存の可能性について考えます。獣医学領域には、海外悪性伝染病を始めとして喫緊の課題が沢山あります。今回の学術集会が課題解決の一助となることを期待しております。



結びに

 第163回日本獣医学会学術集会が、想定外の事変により現地開催中止となったことについて、関係者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。非日常が普通になりつつある現在、新型コロナウイルスの感染状況によっては来年の本学現地開催も予断を許しませんが、より多くの皆様に北海道江別市での本学術集会にご参加いただきたく、酪農学園大学獣医学群教員一同、心から皆様をお待ち申し上げます。



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    「農民道」黒澤酉蔵著、北海道酪農義塾1937年